何となくパニック発作が起きそうな時、「水を飲む」「ミントタブレットを食べる」「呼吸法を試す」などというのは、多くの方が経験あるのではないでしょうか?
でもこれ、何のためにやっているのか考えたことはありますか?
●何となく腹部がモヤモヤする時、水を飲んだりミントタブレットを食べるとスッキリした感じがして、身体から少し意識をそらすことができる。
●ソワソワやドキドキしてきた時に呼吸法を試すと、不安から少し意識をそらすことができる
つまり、気を紛らわすためにやっているのです。
“気を紛らわす”というのは「本来意識が向いているところから、意図的に意識をそらす」ということ。
言い換えると、“フォーカスを変える” ということなのです。
( フォーカス=焦点・ピント、どこを見ているのかということ)
今日はそんなパニック障害とフォーカスについてのお話です。
◆パニック障害の方が毎日フォーカスしているのは?
パニック障害の方が毎日を過ごす中で、一番フォーカスしている・注目しているのは、自分自身の体調です。
発作への不安や恐怖から、わずかな体調の変化にも敏感になってしまいます。例えば、ほんの一瞬腹部に不快感を感じただけでも「気分が悪くなってしまったらどうしよう」「発作になってしまったらどうしよう」と怖くなってしまうのです。
言い方を変えると、発作にならないように・体調がおかしくならないように、24時間自分の体調を自分で監視しているような状態です。
つまり、意識がずっと自分の体調にフォーカスされている状態なのです。
パニック障害の方の睡眠の傾向として、一回眠りについても中途覚醒・早朝覚醒しやすいという傾向があります。不安を抱えたまま眠るので、不安で目覚めやすいのです。
中途覚醒した瞬間、早朝覚醒した瞬間、朝起きた瞬間、「体調は大丈夫かな」と、無意識に体調チェックをしていませんか?
常に意識が体調にフォーカスされているということは、毎日何かしらの体調の波を感じやすいということ。
ですが体調の波は、パニック障害ではない人も同じようにあります。
朝起きたら身体がだるい、お腹がすいたらふらふらする、夕方になったら疲れが出てきた、頭が重くなってきたなど…。
健康な人でも一日の中で体調の波があるのは普通のこと。みんなそんな感じなのです。
問題は、そのわずかな体調の変化を「発作になったらどうしよう」「パニックの体調不良だ」というように、パニック障害と結びつけてしまうところにあります。
24時間365日、意識を自分の体調に向けているということは、“発作の材料を自ら探している” とも言えるのかもしれません。
パニック障害の特性上、どうしても体調にフォーカスしてしまうのは仕方のないことでもあります。
ですが、体調に気を付けているつもりで体に意識を向けているつもりが、わずかな体調の変化で「大丈夫かな」と不安や恐怖を感じてしまうのは、ちょっと目的が変わってきてしまっているような気もします。
◆「どこを見ているか」で人生が変わってくる
ここで一つ質問です。
皆さんは普段どこを見て過ごしていますか?
●自分より辛そうな人、大変そうな人
●自分と同じ病気で辛い思いをしている人
●自分と同じ病気を克服した人
●楽しそうな人、生きやすそうな人
●自分が成長できそうな人 ・・・など
日々どこを見て過ごしているかで、結果に違いが出てきます。
自分の意識を向ける方向が変わると、選択する行動・言葉・思考の全てが少しづづ変化していきます。
フォーカスを向けている先が、自分の世界観になるのです。
「自分がどこにフォーカスをしているのか」をわざわざ考える事はあまりありませんが、“普段自分がどこを見て過ごしているのか” を一歩引いて知ることも、また新たな発見に繋がるかもしれません。
皆さんはどこにフォーカスをして毎日を過ごしていますか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
*noteもやっています*
◇森山かな|パニック障害専門オンラインカウンセリングfuu(フー) ―note―
https://note.com/counseling_fuu